終わらない鎮魂歌を歌おう―魑魅魍魎の跳梁跋扈せし時代にて―

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  scene7.ミケ  



『おま……不意打ちはねーだろ……』
『文句は自分一人でこっち来れるようになったら受け付けてあげるわ。』
「こんにちはぁ〜」

いつものやり取りをする二人の耳に、間延びした、緊張感に欠ける声が届く。
反応して振り向けば、そこには小さな恐竜が浮いていた。

『あ!久し振りねぇミケ、相変わらず早……』
『うわ、すっげ!ミクロパキケファロサウルスだ!!』

鼻息荒く割り込んできた耕太に、やよいは露骨に顔をしかめる。

『なに、こういうの詳しいの?』
『おう、恐竜図鑑は小さな俺の愛読書だった。』
『図鑑て……あんたちょっと時代をわきまえなさいよ。』

お決まりのやり取りpart2に行きかけた死神屋たちだったが、辛うじて思い出した本来の目的に沿い、ミケに事情を説明することにした。

『……というわけなんだけど、頼める?』
「なるほどぉ。了解です、任せてくださいっ!」
『おぉ、頼もしいカオ!』
『……私は表情の変化がイマイチわからないわ……』

至極もっともなやよいの溜め息は、拾われることなく溶けて消えた。


「では早速……ふんふん……へ?……そうですか……それは……」

守護霊と話しているらしいミケの表情が、だんだんと険しくなっていく(耕太談)。

「お二人とも、これはちょっとヤバいですよぉ。」

そう言って振り返ったミケの顔には、焦りの色が浮かんでいた。(耕t(ry)

「あのですねぇ、かいつまんで話しますと、女がこの子に憑いてますぅ。かなり強くて、この守護霊さんも頑張ってくれてたんですけどはね飛ばされちゃうみたいです。強い怨みを持ってるらしいんですが、この子に対してというよりはこの年頃の女の子に対してみたいですよぉ。」
「マジかよ……」
「…………」

話を聞きながら、やよいは違和感が纏わりついてくるのを感じていた。

(何だろう。さっきと、何かが違う。)


首の周りがざわついて、ぐるりと辺りを見回す。


(何が違う?何が変わった?空気……気配…………波長!)


札から出ていた波長が、かなり弱まっている。
やよいがそれに気付いたと同時に、耕太が叫んだ。

『やよい、あれ!』


耕太が指差す先、枕元の札が、ちりちりと黒く焼け焦げていく。

『札が……!』
「……!来ますよぉ!」

ミケの言葉に、死神二人はそれぞれ大小の鎌を構え、臨戦態勢に入る。



沈黙に包まれた空間で、ちり、と最後の欠片が燃え尽きた。





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