終わらない鎮魂歌を歌おう―魑魅魍魎の跳梁跋扈せし時代にて―

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  scene6.何かと誰か  



『何もいない……?』

予想に反して、早智の周りには何もいない。
ただ、神経を研ぎ澄ませば、うっすらと残り香のようなものが漂っているのがわかった。

『てことは、ついさっきまでいた……?』

何でまた、と首を傾げたやよいの目に入ったのは、枕元の札。
それから出る強い波長から、高等術師が作ったものだろうとやよいは判断した。

『なるほど、これが一時的に祓ってるのか……』

けれども、これも長くは保たないだろう。
現に新しいであろうその札は、しかしながら既に色褪せてきている。
破られるのも時間の問題だ。

『んー、守護霊の気配は感じる……。ああもう、直接話せたら色々聞けるのに!』

やよいの叫びには理由があった。
死神屋というのは、浮幽霊系と話すことはできるが守護霊と話すことはできないという少しややこしい位置にいる。

だが、打開策が一つあった。
死神屋と守護霊、その間には、仲介のような存在がいる。


職名を、“守護業務代行サービス”。


『……とりあえず呼びますか。』

懐から取り出した小さな箱に付いているボタンをいくつか押し、口を近付けた。

『はい、こちら守護業務代行サービスです。』
『……どうも、死神841号です。代行一人、通訳でお願いします。』
『あらーやよいちゃん!はいはーい、了解でサンマ☆ちょうど手が空いてるみたいだからミケでいいサンマ?』
『ええ、それじゃよろしく。』



「ただいま。」
「うわっ、起きた!」
「おつかれさん。どうだった?」
「……何か悪いものがいるのは確か。でも詳しいことはまだわからない。だから、ミケを呼んだ。」
「ミケ?」
「あー、あんたはまだ会ったことないっけ。ちょうどいいから今度はあんたも来なさい。」

言うが早いか、やよいは耕太に渾身の一撃をくらわせた。

「「!?」」
「あー、大丈夫大丈夫。こいつ新人だから自分で魂になれないんですよ。だから手伝いが必要で。私ももっかい行ってきますね。」

そうしてひらひらと手を振り、やよいも再び布団に倒れこんだ。





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