終わらない鎮魂歌を歌おう―魑魅魍魎の跳梁跋扈せし時代にて―

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  scene3.甘崎夫婦と術師杉原  



早智の父――甘崎優が帰ってきたのは、鉄輝が出ていってから少ししてからだった。
「早智!美紀さん、早智は!?」
先ほどの少年とまったく同じ台詞を叫ぶ夫に、美紀は苦笑して、そして首を振った。

「そう……か……」

ガクリとうなだれた甘崎はそっと早智に近付き、その頭をゆっくりと撫でる。

「やはり噂の奇病なんだろうか?」
「……もしかしたら。そろそろ、知り合いの術師が診に来てくれるんだけど……あ、スギ!」
「ども。」

戸口に立つ髪の長い女性。スギと呼ばれたその人は、名を杉原。職業は術師と呼ばれるものである。

「どうぞ。」
「どーも。」

甘崎に場所を譲られそこに座ると、杉原は早智の額に手をかざして静かに目を閉じた。
そして。

「…………なんかいる、ね。」
「“いる”……?」
「そう。何かが、この子の命を喰らっている。少しずつ、それでも確実に。」

淡々と告げられる事実に言葉を失ったのは、夫婦だけではなかった。

(……え?)

戸口の向こうから聞こえた言葉に、鉄輝はその場に立ち尽くす。

ぱさり、桃色の花が落ちた。





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