終わらない鎮魂歌を歌おう―魑魅魍魎の跳梁跋扈せし時代にて―
scene11.やよいと耕太
畦道を、ぶらり歩くは黒服二人。
手には、桃色の花。
鼻歌を歌いながらくるくると花を回すやよいに、耕太は少しだけ迷って、話しかけた。
「あのさ。あの魂は、一体何処に消えたんだろうな。」
「……それなんだけど、あたしはたぶん、生霊だったんじゃないかと思うんよ。」
「生霊……あー、なるほど。在るべき所に帰ったってか。」
「多分だけどね。成仏するにしても裁かれるにしても、私ら通さないと駄目だし。」
「だよな。ま、一件落着ってやつだな。」
「そーねー。ほとんどあの子の力だけど。」
だな、と相槌を打つ相棒を横目で見て、やよいは小さく息を吐いた。
“限界”が来て魂が壊れてしまったのかもしれない、とは言わなかった。
可能性としては十分に考えられることだが、あの光を目の当たりにした以上、悲しい結末になったとは思えないというのがやよいの本音だ。
鉄輝が何を呼びだしたのかは厳密にはわからない。
けれども、あれが自分たちの代わりにあの女を救ってくれたような気がしてならなかった。
「さて、次はどこに行く?」
「そうねぇ……もう夏だし……」
もうすっかり気にしていないような耕太の問いに、やよいもそれまでの考えを振り払って、にんまりと得意の笑顔を作ってみせた。
「偽与野祭りにでも行ってみる?」
(了)
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