銀魂〜終わらない鎮魂歌を歌おう〜駄眼鏡の厄日
サブタイトル 一万HIT記念にこんなもん書いてんじゃねぇよ、マダオ
一万HIT記念truth(美琴)様へ
どうしてこうなったんだろう?
確かに今日は厄日だった
でもまさかこんなことになるなんて…
こうなる直前、誰かが叫んだ
「…危ない!」
その声は僕に向けられていた
隣を見るとバイクがすごいスピードで突っ込んできた
僕の体は宙に浮き、どさり、と落ちた
ああ、空が青い
仰向けに倒れてそう思った
それ以降、思考がぷっつりと途絶えた
次に耳に入ってきたのは男の声だった
「おー、神楽、こいつみたいだぞ」
「そうね、銀ちゃん、間違い無いヨ、顔写真ぴったり」
あれ?まだ生きてたのか…
「おい、おきろ駄眼鏡」
駄眼鏡?
それってひょっとして僕のことか?
「起きろヨ、駄眼鏡」
「…え?」
「やっと起きたか、それじゃあ説明するから聞けよ」
目を開いた僕に見えるのは、二人の人間
しかし、その二人は黒い装束に、片方は木刀を持っていた
「えーっと…おまえの名は志村新二、あ、おまえはもう死んだから」
「は…?いや、その前に新八だから」
「そんなことどうでもいいネ、二だろうが八だろうが大して変わらないネ」
「おいいいいいい!んだそりゃあ!六も違うじゃねぇかぁ!ってそんな問題じゃねぇよ!え?何?まじで死んだの!?
二人がゆっくりとうなづく
「とりあえず、これ読め」
と、でかい本を投げ渡された
『死人教本〜正しい死人のあり方〜』
「…」
「そんで、とりあえず…」
「ちょ…ちょっと待った」
「なんだよ」
「そんなの信じられるわけ無いだろ?一万歩譲って死んだことが本当だとして…」
「ゆずん無くても本当だよ、てか譲りすぎたよ」
思考が空白になる
そうだ、確かに死んだ
でも…認めたくない
姉上をより先に…死ぬなんて
「その姉上だが、今来てるぞ」
無意識に言葉に出していたらしい
いた、人ごみにまぎれて
スーパーのレジ袋を提げて、僕の死体をなぜか冷やかな目で見ている
「行ってみるか?」
正直言うといやだった
姉上はいつも口癖のように言っていた
『新ちゃん、死ぬときは私より遅く死になさい、そして、出来れば笑って死になさい』
いつもそう言っていた姉上が、僕を見て、どう言うだろう
好奇心もあった
特に何も考えず、この妙な男の後をついていく
姉上の後ろに立つと何かつぶやいているのが聞こえる
「ったく遅いと思ったらこんな所で油うってたのね、まったく死ぬんだったらそれなりに遺産残して死んだら良かったのに…気が利かないのね、新ちゃん」
「って黒!なに?姉上の腹の中ってこんなに黒かったの!?」
「人は皆、心の中に黒い部分を持っているものさ、気にするなよ、新吾君」
「うるせぇぇぇ!!だから新八だから!何?わざとやってんの!?」
「ごちゃごちゃうるさいヨ、名前間違えたぐらいでぎゃーぎゃー騒ぐな、みっともないアル」
「黙ってろぉぉぉ!!酢昆布くちゃくちゃしてる奴に言われたかないわぁ!!」
気づいたら隣にいた女の人は酢昆布を食べていた
「私のエネルギー源は酢昆布ネ、これないと生きていけないネ、中毒になってしまったヨ、どうしよう」
「おめーの頭がどうしようだよ」
つーかなんだ?さっきからこいつらは…ふざけてるのか?
「ところで…あんたらはいったい何者なんですか?」
「おう、それよ…ほれ」
名刺を渡された
日本水先案内サービス
死神番号22103号
江戸支店第一営業課
課長
「…はぁ?」
ほんとにふざけてんのか?
「ほれ、駄眼鏡」
女の方の名刺だ
日本水先案内サービス
死神番号212391号
江戸支店第一営業課
工場長
工場長…
本当にふざけてるのか?
「死神…?」
「おう、てめーの魂を救いにきた、めんどいけど」
「救いに来たって…」
「つべこべうるさいね、これからおまえの意見はすべて却下ネ」
…え?
「なんだそれは!救われる側の意見を無視するなんて、どう言う横暴な救いかただよ!」
突然蹴りが腹にきた
「やかましい」
「手厳しい!」
「まぁそんなことはどうだっていい…おまえだって現世に心残りがあんだろ?」
「…」
それは…確かにそうだけど
残してきた姉上、バイト先で仲良くしてくれた人、マダオの長谷川さん
他にも、いろいろな人を残してきた
「そんで、俺早めに終わらせたいからちゃっちゃとしてくれるか」
翌日、葬儀
来ている人は数人
姉上とバイト先の人、マダオの三人のみ
「どうだ、おまえの葬儀は」
「…葬儀じゃねぇよこれ、なんだよ三人だけって、ひどすぎるよ」
「気にするな、新吾くん、人間は日々忘れらていくものだよ」
「何悟りきったような事言ってんだ、それと新吾じゃねぇから、新八だから」
と、とつぜん入り口のドアが吹き飛び、扉が壁にたたきつけられて落ちた
「…っな!」
突然のことで固まってしまった
土煙の中からあらわれたのは、いかにも狂暴そうな宇宙生物だった
「な…なんだ、なんだあれ!」
次第にあらわになる化け物
その後ろから頭に卑猥なものをつけた人が来た
「おお、ベスや、まろの言うことを聞いておくれ」
あ、駄目皇子だ
あ、吹っ飛ばされた
「ドーすんだ?このままじゃ姉上と他の人が死ぬぞ」
「ドーするって…僕はもう死んでるんだぞ?何も出来ないじゃないか」
「動物は霊感が強いのさ」
って事は…僕が見えるのか
「おら、ぐだぐだ言ってないでちゃっちゃといかんかい、男だろ」
「う………」
くそっ、もうどうにでもなれだ!
闇雲に化け物に飛び掛る
不意をつかれた化け物は横向きに倒れた
もだえる姿はまるで駄々をこねる赤ん坊みたいだ
…ぜんぜんかわいくないけど
化け物は僕の姿に気づいたようだ
こっちの様子をうかがっている
……来たっ
「うおわあ!!」
「あー、言い忘れてたけどそいつにやられたら終わりだからな、救われる救われないの話じゃねぇ、意識は完全に消えるから、そのつもりでな」
「はぁ!?そう言うことは先に言えぇ!」
くそっ、やってられない
不意に化け物が横を見る
「…?」
視線の先には、姉上がいた
化け物の腕が動き、姉上のからだめがけて飛んでいく
「!…こいつ」
何も考えてなかった
こいつにやられたら、完全に魂が消失して、救われる救われないどころじゃないとか、そんなことは微塵も考えてなかった
ただ一つ、『姉上を守らなきゃ…』
その思いが、僕を突き動かした
姉上の前に立ちはだかり、目を瞑る
…ごめん、姉上…今まで迷惑かけて
父上が死んでから、姉上は一人で僕を育ててくれた
そのことを、心の中で感謝していてもそのことを口に出したことはなかった
だから…いま、ここで言います
「ありがとう…姉上」
…意識が…ある
目をゆっくり開ける
目の前に黒いものがうつっている
「…?」
「はっ…おまえは馬鹿か、こいつにやられたら完全に意識がなくなるんだぞ?」
「……………そんなこと、分かってるよ…ただ」
「ただ…姉上を守りたかった…そうだろ?」
そのとおりだ
黙ってうなづく
「おまえの声は、届いてたぞ…ちゃんと」
「そう…なんですか?」
「アア、しっかり届いてたぞ」
「さて、そろそろこの宇宙生物を追っ払うとしようか、銀ちゃん」
「おお、いくぞ神楽」
数十分後
宇宙生物を倒した後
「ふぅ…なかなか骨のある奴だったな」
倒れた化け物の隣に駄目皇子がかけよって何事か叫んでいる
「あんたらいったい…」
「行ったろ?死神だ、って」
「いや…そうじゃなくて」
「どうだ?」
「おまえの魂ちゃんと救われたカ?」
僕の…魂
「ああ…救われたよ」
終
わわわ、サラさんにも10000祝い頂いてしまいましたっ!
しかもめっちゃ好きな銀魂小説!ありがとうございます〜。
銀魂と終わらない〜の融合作品、斬新な設定で、楽しかったです!
サラさんありがとうございました!
無断転載絶対禁止!!