♯31


“with あっちゃん”

「あっちゃんおはよー」
「あら、おはよう。珍しいなぁ、通学中会うとか」
「うん、今日は早く学校行かなあかんねん。日番やから。」
「・・・え?」
「ん?」
「え、日番?」
「うん。」
「8時に職員室行かなあかん日番?」
「うん、日番。」
「・・・今何時か知っとる?」
「7時50分やろ?」
「ここから校門まで15分かかるわけやけど?」
「うん、やから駅から走ってきてん。」
「いや最後まで走らな!」
「えー、だってせっかくあっちゃんに会えたのにー」
「また会えるやろ、ほら、行かな怒られるで。」
「うー、さーみーしーいー」
「ほらほら、はよいかな!」
「うー・・・わかった、行ってくるよぅ。じゃあまたっ!」


「・・・何であっちゃんまで走っとるん?」
「寂しいんやろっ?」
「や、大丈夫やでっ、あっちゃんゆっくり来たらええよ、朝からしんどいやろー」
「はっはー運動部なめんなぁー!」
「おう頼もしっ!」


「おはよー、二人とも息切らしてどないしたん?」
「やー、部活、引退して、約半年っ・・・」
「肉体の・・・衰えを、感じた日でした・・・」
「は?」


浮雲ラプソディー





♯32


“with ゆーちゃん”

「私って、何になりたいんやろなぁ・・・」
「うん?」
「大学は何処行きたいってのあるけど、何になりたいとかはないねんな、私。」
「ゆーちゃんの将来かー、なんやろなぁ。」
「んー」
「警察官とか似合いそうやなー、あとはバスの運転手とか!あー、でもOLのゆーちゃんも見てみたいー!」
「なんか最後らへん願望になってなかった?」
「えへへ。」
「でも警察官はいいかもしれんなぁ。」
「やろ?絶対似合うって!」
「ふふっ。あー、10年後の私、何になっとんやろなぁ・・・」
「何やろなぁ・・・」



それは遠い未来の話だけど、一つだけ、分かることがあった。

きっとそのとき、私は貴女の隣にいない。

仕方のないことだと分かってるけど、それでもやっぱり、寂しい。


「・・・う?」
「ゆーちゃんの手ぇやらかーい。」
「いやんヘンタイぃー」
「へっへっへー」
「このやろうみーちゃんの手の方がやらかいやんかー」
「いやんヘンタイさーん」
「そっちが先に言うてきたんやんかぁ!」


だから今は、できるかぎりいちゃついてやるんだ。

ゆーちゃんの未来の旦那様が、嫉妬するくらい。


浮雲ラプソディー








いちゃつくと言ってるわりにはそんなでもないけど本人はとっても幸せなのですよ。





♯33


“with 郡山”

「あ。」
「うん?」
「ミサンガ切れた。」
「おぉ!やったやん。」
「んー・・・」
「どないしたん、なんか不満そうやな。」
「いや、これね、付けた時の願い事・・・先輩と両想いになることだったんですよ。」
「あー、なーる。」
「しかもこのミサンガ、ゆーちゃんに貰ったやつなんですよ。」
「あららー」
「切れない方がよかったのに・・・」
「・・・そんならまた付けたらいいやん。」
「・・・天才ですね!」
「え、何が?」
「ミサンガ付け直します!」
「マジか。」
「えらくマジです。よーし、じゃあ郡山さん、結んでください!」
「はいはい。」
「キツくですよ?キツく縛ってくださいね?」
「お前それ誤解生むで?」
「ふぃ?」



「なぁ、」
「はい?」
「今度は何を願ったん?」
「えー?へへ、内緒です♪」
「なんやそら。」


本当は、想像がついてる。
・・・何故だかわからないが、キツくキツく、結んでやろうと思った。

決して切れないように。
その願いが、叶わないように。




内緒って言ったのは、照れくさかったから。
願ったのは、『郡山さんが幸せになりますように。』
先輩のこともゆーちゃんのこともよく知ってる、何でも話せる人。
だから、私の感謝の気持ちを込めて、それを願った。
ゆーちゃんからのミサンガだけど、この願いなら、切れてもいいと思ったの。


浮雲ラプソディー




ちょっと変えた書き方。いつもは神原視点だけど、今回、最後に郡山と神原それぞれの独白を入れました。
すれ違いは大好きです。今は。





♯34


“with 郡山”

「みーんみんみんみん」
「何ごっこ?」
「巷で大人気のミンミンゼミごっこです。」
「そっかそっかふーん。」
「蝉は何が悲しくてあんなに泣くんでしょうね。」
「さぁなー。」
「泣いてばっかりの人生。むしろ蝉生。いいことないんですかねー。」
「…実は嬉し泣きやって、あれ。」
「!」
「!」
「何それカッコいい惚れるからやめてください!」
「むしろ寒すぎたと思います忘れてください!」


浮雲ラプソディー





2年越し!