♭1


“with 郡山”

「よ。」
「あれ、郡山さん!?」
「元気か?」
「いや、元気ですけど・・・てか何でここに?勉強は?」
「ん、まー、何ていうか・・・お前に言わなあかんことがあって・・・」
「?」
「あー、あんな・・・今言っていいんかどうかわからんかってんけど、でも言わんままってのもアレやと思って・・・」
「何でしょ?」
「・・・彼女おんねんて。河本。」
「・・・え?」
「先週な、見てんやんか。河本が隣りのクラスの女子と帰ってんの。西野って言うんやけど。そんで次の日、ちょっとからかったろうと思って『お前西野と付き合っとん?』て言ってみてんやんか。そしたら、『あ・・・うん。いや別に隠しとったわけやないねんけど・・・うん、付き合っとんねん。』て・・・」
「・・・」
「何かごめんな。もっと早くに気付いとったら・・・てかこんな話してよかったんかな。・・・ごめんな。」
「・・・やだ、何で郡山さんが謝るんですか。ありがとうございます、教えてくれて。」
「神原・・・」
「てか郡山さんも、それ言うかどうか悩んでくれたんじゃないですか?受験生なのに、すみません。」
「・・・なんか冷静やな。」
「帰ったらいっぱい泣くと思います。でも今は、何かあまりに呆気なくて・・・」
「・・・強がってないか?」
「強がってますよ。」
「信じたないんはよくわかるよ。」
「いえ・・・多分、ホントは心のどこかでわかってたんです。先輩は、好きな人がいる。そしてそれは、私じゃない・・・って。」
「・・・」
「・・・終わっちゃったけど・・・これからも何かあったら相談にのってもらっても・・・いいですか?」
「・・・おー、まかせとき!今からはちょっと難しいけど、受験終わったらいくらでもこい!」
「・・・ありがとうございます・・・」
「・・・結局泣くんかい(苦笑」
「・・・これは、郡山さんのせいですよぉ・・・」


浮雲ラプソディー





♭2


“with 郡山”

「神原ー。」
「あ、郡山さん・・・卒業おめでとうございます。」
「おー、ありがと。・・・どしたん?なんか元気ないなぁ・・・」
「・・・先輩の第二ボタン、貰えなくて。さっき行ったら、もうなかったんです。」
「・・・」
「彼女さんにあげたのかなぁ・・・。もう。ボタンくらい貰ってもバチは当たらないと思ってたのに。神サマのいじわる。」
「・・・ま、元気出し。な?」
「うー・・・」
「あー泣くな泣くなっ!よし、じゃあそんな傷心のお前にこれを・・・よいしょっ、やろう!だから泣いたらあかんて!」
「・・・今、すごい豪快に引きちぎりましたよね。」
「とれにくいねんこれ。はい、あげよ。」
「・・・郡山さんのファンに怒られるからいーです。」
「なんやそれ(笑)んー、じゃあこれ持っとったら、いつでも俺に会えることにしよう。すごいやろ。」
「何それ。」
「秘密の暗号〜♪俺へのパスポート〜♪」
「ふーしーぎーな冒険♪」
「「始まるぅぅ〜♪」」
「・・・というわけで、相談フリーパス?優待券?みたいな感じで。それ持っとう奴だけが俺に相談できる!」
「・・・ワースゴーイ。」
「えらい棒読みやな。」
「あははっ、じゃあ、ありがたく貰っときます。」
「おぅ、大事にしーやー。」
「はいはい。」
「『はい』は一回!」
「はいはい。」
「お前なー・・・」



「郡山はっけーん!!お前どこ行っとったん!?女子が探しとったでー。」
「んー、ちょっとなー。」
「・・・お、ボタンなくなっとーやん。さっきまで死守しとったのに。誰にあげたん?本命?」
「・・・さーな。」


浮雲ラプソディー





♭3


“with 郡山”

「郡山さん!」
「お!えっと・・・神原さん、やっけ?」
「はい、神原です。・・・あの、えと・・・」
「ん?」
「あの!河本先輩の好きなものって何ですか!?」
「・・・へ?」
「あの、来週河本先輩の誕生日って聞いて、そんでその、いつもお世話になってるので、だからそのっ・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・無難にお菓子とかどやろ。あいつたけの○の里とかめっちゃ好きやし。」
「はいっ!ありがとうございます!!」
「どういたしまして。」
「・・・あの、今のやり取りで私のこと、変な子って思いました?」
「え?いや別に・・・何で?」 「いえ、三年のクラスまでこんなこと聞きに来たから、変な子やって思われたかな、と・・・」
「ははっ、それか。ちょっとびっくりはしたけど、別に変やないよ。河本のことが好きな、多分普通の子。」
「よかっ・・・え、ちょっと待ってください、何で河本先輩のこと好きって・・・」
「いや、好きやからわざわざ俺んとこ聞きに来たんやろ?」
「・・・」
「・・・」
「あああああもう私のアホーー!!!」
「!?・・・・え、ちょ、神原さん?」
「うわあああアホやアホやホンマにアホやもうばり恥ずかしいしお願いします郡山さん今のことは誰にも内緒でっていうか忘れてくださいさよならーー!!!」
「ちょ・・・・・・走るん早っ・・・」


「・・・前言撤回。お前やっぱじゅーぶん変やわ。」


浮雲ラプソディー