お やすみなさい、良い夢を。
放課後。俺はいつものように、古泉と部室でボードゲームをしていた。
ハルヒは掃除当番で、長門と朝比奈さんも、理由は知らないが、まだ来ていない。
だがこれは別に珍しいことではなく、むしろ珍しいのは、
「……おい、お前の番だぞ。」
「あ……はい、すみません。」
こいつが、癖のような笑顔ではなく、ものすごく眠そうにしているということだ。
今も半分寝ていた。神人退治で疲れているのだろうか。
まぁ俺には関係ないので、ことりと置かれた駒を見て、次の手を考える。
……ん?こいつこの前もこの手で負けたぞ。お前学習しろよ……
そう思ってふと古泉に目をやると、ああ、またうとうとしている。
目は半分以上閉じている。起こしてもどうせ俺の勝ちなので、観察してみることにした。
ゆっくりと横に傾いていく。おいおい、そっちには何もないぞ。そのうち椅子から落ちるんじゃないか?
……やれやれ、見てられないな。
小さく溜め息をついて、俺は椅子ごと古泉の隣りに移動した。
眠そうな目が、俺を不思議そうに見る。
「ほれ、俺にもたれていいから。寝ろ。」
「……え!?」
「お前の“バイト”は不定期なんだから、寝れる時は寝とけ。」
「でも悪いですし……」
「悪くない。」
その後も少し言い合いが続いたが、ついに古泉が折れた。
「じゃあ……失礼しますね。」
そう言って、古泉は遠慮がちにもたれてきた。
が、ほとんど重みを感じない。
もっと自然にすればいいのにと思いつつ、言っても変わらないだろうなと心の中で溜息をついた。
どれくらい時間が経ったのか。気付くとさっきより腕が重くなっていた。
動かさないようにそっと隣を見ると、案の定、寝入っていた。
広くはない部室に男二人。しかも一人はもう一人に寄りかかって熟睡中。
誰かが忘れ物をとりに来た際にこの光景を見れば、絶対誤解されるだろう。
(やれやれ、俺は何してるんだろうな……)
そう溜息をつきつつ、一定のリズムで聞こえてくる小さな寝息に不覚にも微笑んでしまったことは、
今世紀最大の秘密だ。
某所に投下させていただいたSSです。キョンは普段古泉に冷たすぎる!
あと古泉は普段からいい感じにきもい!そこがいい!(注:自分は古泉大好きです。)