ふ りかえるのは、君が来た時。
※死にネタ注意!!
『ちょっとだけ、待っててくれるか?』
必ず、生まれ変わるから。
生まれ変わって、また会いに来るから。
息も絶え絶えに紡がれたその言葉を、俺は一蹴してやった。
「阿呆か。断る。」
やっぱり?と力なく笑うコイツをキッと見据えて、俺は続けた。
待ってるわけない。
俺は進み続ける。
だからお前は、精々必死になって追いかけて来い。
息を切らして、
足をふらつかせて、
そしてかすれた声で俺の名を呼べ
そこで初めて、俺は振り向いてやる。
そう言ってやると、鈴木は少しの間呆けた顔をして、死々若らしい、と笑った。
その顔を見ていると、瀕死の妖怪とは思えない。
けれどもその視線を下にずらしていけば、ああ、止まらない血も、腹に大きく空いた穴も、全てが現状を……その命が尽きかけていることを、物語っているのだ。
どうしていいかわからなくなって、鈴木から視線を逸らした。
ししわか、とほとんど声になってない声に呼ばれたのと、頭の上に手が乗せられたのはほぼ同時だった。
「……何のつもりだ。」
「そんな顔、するなよ。」
掠れた声に、俺はそんなに変な顔をしていたのかと問うた。
奴は何も答えずに、あやすように頭を撫でる。
ゆっくりと、何度も何度も。
子ども扱いされているようで少し癪だったが、好きにさせてやった。
ふと、撫でる手が止まった。
少しだけ頭を動かすと、その腕は重力にしたがって落下した。
苦しそうだった呼吸の音は、もうしなくなっていた。
「……鈴木……」
呟かれたそれに、答える声はない。
視界がぼやけて、鈴木がはっきりと見えなくなる。
それでも、一度瞬きしてしまうと、その間に消えてしまいそうで、ぐっと堪えた。
『ちょっとだけ、待っててくれるか?』
待ってるわけない。
俺は進み続ける。
だからお前は、精々必死になって追いかけて来い。
早く、早く。
追いついて、俺を振り向かせろ。
じゃないと俺は、どんどん先に、行ってしまうから。
「……だから早く、追いついてこい。」
柄にもなく震えた声が、魔界の風に溶けて、消えた。
選抜六人組大好きなのに、どうしてこんな話になってしまったんでしょうね。
ここに至るまでの過程は全く考えていませんが、とりあえず鈴木がどっかの妖怪らへんにやられてしまいました、的な。
鈴木は好きですよ。なんか普通の変な人っぽくて(笑
魅力溢れてますよね、あの六人は。