「いいなぁ」
という声に振り向くと、浜田がオレの右腕をじっと見ていた。
「これ?」
と腕を指さして問うと、うん、視線はそのままでこっくりと頷いた。
あまりにも見てくるもんだから、右腕を上げて
「いる?」
って聞いてみたら、ちょっと驚いた顔をしてから、
「いらねぇよ、ばか。」
だって。泣きながら笑うなよ、器用な奴。いや、不器用なのか?
よくわかんねーからとりあえずティッシュを箱ごと投げつけた。
いてぇと言いつつそのティッシュでごしごし目元をこする浜田を見ながら、もしさっきこいつが「くれ」って言ってたらオレはどうしてたんだろと考えてみる。
当たり前だけど、やることはできない。
……けど、もしこいつが真剣な目で言ってきてたら、オレはどうしたんだろう。
「誰がやるかよ。」と、うまく流せていただろうか。
「……あのさぁ、」
突然かけられた声に、びくりと肩がはねた。
「……何。」
「オレ、泉の腕、好きだよ。」
そう言いながら浜田はゆっくりと近づいて、俺の右腕を撫でた。
「……でも、この右腕は泉についてなきゃ駄目だ。泉にじゃないと、意味がない。……だからオレはいらないよ。」
浜田は、どうやらさっきオレが何を考えていたのかわかってたらしい。
それが何だか悔しくて、でもどうしてだかちょっとだけ嬉しくて、
「……オレも、浜田の腕、好きだよ。」
いろんな物作れるから。そう言ってやったら浜田はようやく笑って、ありがとう、とオレの好きな腕でオレの頭を撫でた。
えきすとらにしかなれないきみの
その傷付いた腕を持つあなたは、もう決して、夏の主役になることはない。
けれど。
一応これ、ハッピーエンドです、よ。
はまちゃんは受け入れて、その上で前に進んでるのです。
泉はそれがわかったのです。
そんな話でした。
……解説が必要な話って……